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操られる「素人売買」

 

 パソコンの画面が締め切り10秒前を伝える。マウスを握る指が小刻みに震える。9、8、7……。経験で5秒前が勝負だと知っている。

その瞬間、東京都北区の女性(46)はネットオークションで狙いをつけたTシャツを4万円で入札した。間もなく「あなたが落札」と表示される。体が熱くなった。

朝起きるとパソコンで商品の入札履歴をチェックする。「顔の見えない相手との駆け引きは興奮する」。競り落としたブランドものを「勝利品」と呼んでいる。これまで110点に達した。

10年ほど前、夫との不仲をきっかけにクレジットカードでの買い物でストレスを解消するようになった。気がつけば800万円の借金を重ね、任意整理に追い込まれた。

それでもオークションはやめられない。昨年11月、子供名義で貯金していた70万円の教育資金に手をつけてしまった。エルメスのバッグを落札したためだ。

「楽しいのは買った時だけ。その後は後悔の気持ちに押しつぶされるようになるの」

ネットの普及で、消費者が売る側にも回る。

 

 昨年12月23日、大阪市北区のイタリアレストラン。「関西アフィリエイターの会」のクリスマス会に約40人が出席した。半数が主婦だ。

アフィリエイト(成功報酬型広告)は、自分のホームページ(HP)に広告を張り、その商品の利用体験談を書くことから始まる。誰かがそのHPを経由してネット通販で商品を買えば、売り上げの一部を報酬として受け取れる。大阪府の主婦、直美さん(36)は引退も考えたが、仲間の成功談を聞くと「来年は稼げるかもしれない」と心が揺れた。

04年夏、カリスマ主婦の著書「主婦もかせげるパソコンで月収30万」を読んだのがきっかけだ。妊娠や育児に関するHPを作り、妊娠検査薬、子供服、ランドセルなど約100品目の広告を張りつけた。

広告主との仲介業者からは多い日で120通の広告あっせんメールが届く。子供が寝た夜10時から翌朝3時までそれをできる限り読んで「体験談」を書いた。しかし収入は伸びない。11月はわずか150円だ。

一度だけ成功した。目の手術をした夫の様子を2カ月にわたってHPのブログに書き、眼科の広告を載せた。「眼鏡がないといつも騒いでいた夫が眼鏡がいらなくなりました」。広告を見て眼科で手術を受けた人がいたおかげで3万円の報酬を手にした。

「ラッキーでした。でも、今までやってきたことって何や」。外で働く方がよほどいいかもしれないとも思う。電話のオペレーターのパートを始めた。

以上の記事を見てインターネットの時代をしみじみと感じます。

ネットオークションに入れ込みが激しい人は一般的な通販でも「買うことの楽しみ」に浸りがちです。本来は必要でもないのに、あまり安くもないのに衝動買いしてしまいます。私などもたまにあります。安く買うつもりが競い合って高価格で落札するはめになります。冷静にならないと危険ですね。さくらが価格を吊り上げる場合もありますから。

また一方で顔も見えない、言葉も交わさない相手と商品取引をすることに何の違和感もなくなってしまうことが、詐欺にあう要因ともなるのでしょう。ちょっとでも不審な点があれば、深入りはしないことです。

世の中、おいしい話はまずないですから、格安の商品。儲かる話。そういうものは疑うべきでしょう。

 

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