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◆高画質デジカメ
高画素化が進み、1000万画素時代に突入したと言われるコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)。これまで一般に、画素数が多ければ高画質と考えられていたが、実は必ずしも「高画素=高画質」というわけではない。画質を考える際にもう1つ注意しなければならない要素、それがCCDやCMOSといった撮像素子の大きさだ。では実際に、どのように影響してくるのか、コンデジの撮像素子サイズとその特徴について
紹介しよう。
●撮像素子って何? 大きさが画質に影響する
デジカメには、なくてはならない撮像素子。銀塩カメラのフィルムにあたる重要な電子部品だ。レンズから入ってきた光を電気信号に変換し、デジカメ画像の
おおもとを作り出す。そのため、撮像素子の性能がデジカメの「画質」を大きく左右する。現在デジカメに使われている撮像素子は、CMOSとCCDの2種類。コンデジでは販売されているモデルの9割以上がCCDだ。以前はCMOSとCCDで画質の違いが大きいといわれていたが、最近ではその差はないといっていいだろう。それより重要な意味をもつのは、撮像素子のサイズだ。
現在発表されているコンデジには、1/2型、1/2.5型、1/2.3型といった比較的小さいサイズの撮像素子を搭載するものと、1/1.65型、 1/1.7型、1/1.8型という前者よりひと回り大きいサイズの撮像素子を搭載するものの2つがある。代表的なサイズを取り、小型の前者を1/2.5型クラス、ひと回り大きい後者を1/1.8型クラスとして、それぞれを比較し、画質の関係について解説しよう。まず、「1/2.5型」は実寸サイズで横5.7×縦4.3mm。一方「1/1.8型」は横6.9×縦5.2mm。実際の大きさをみると、いずれもいかに小さいかがわかる。
まず、小型の「1/2.5型クラス」から。このクラス最大のメリットは「小型である」という点だ。撮像素子が小さい分レンズも小さくできるうえ、カメラ本体も当然小さくまとめることができる。小さければそれだけ原材料も少なくてすみ、コストダウンにもつながる。そのため、エントリークラスやスリム・コン パクトモデルには、1/2.5型クラスの小型撮像素子を採用するモデルが多い。
一方、ひと回り大きい「1/1.8型クラス」は、各メーカーの中級以上のモデルに多く採用されている。これは高画質を求めた結果だと考えられる。例えば、同じ800万画素でも、片方は1/2.5型、もう片方は1/1.8型の撮像素子を搭載したカメラがあるとする。高画質が期待できるのは、後者の大きい撮像素子を搭載したカメラだ。画素数が同じでも撮像素子が大きいため、1画素あたりの面積も大きい。すると、1画素に受ける光の量が多くなり、光を集める効率が高くなる。最初に入ってくる光の情報量が多いため、以後の画像加工でも余裕をもって処理することができ、結果的にノイズが少なくなる。つまり、より自然な状態の画像を記録することができる、というわけだ。
また、大きな撮像素子を使うと、背景をぼかした写真が撮れる、というメリットもある。一般に、撮像素子の面積が大きければ、それだけピントが合う範囲、つまり被写界深度が浅くなる。例えば1点のみピントが合い、そのほかの部分はぼかした写真が撮れるようになるわけだ。被写体の存在感を強調したり、立体感 ある絵作りには欠かせない手法だ。
背景を大きくぼかした写真は、APS-Cサイズや35mmフルサイズの大きな撮像素子を搭載したデジタル一眼レフの得意分野。それらに比べると、1/1.8型は1/2.5型と同様に「極小サイズ」でボケ具合はそこそこだ。とはいえ、撮像素子がより大きければそれだけ大きくぼかすことができる。
デジカメの画質は、撮像素子のほかにも、レンズや画像処理エンジンの性能にも左右される。一概に1/1.8型の撮像素子だから高画質とは言い切れない。しかし、いずれのメーカーもこうした1/1.8型搭載機をコンデジの中級クラス以上のラインアップに据えている事実を踏まえれば、1つの傾向として「1/1.8型CCD=高画質なコンデジ」といえるだろう。
※1位の「FinePix F100fd」は高感度撮影に強く、高感度でのノイズの少なさは現行機種でもトップクラスを誇る。「従来比400%のワイドダイナックレンジ」をうたうダイナミックレンジ拡大機能も搭載している。
DATA…FUJIFILM
FINEPIX S2PRO F4.8 1/20SEC 2004/10/2
夏は花火・・・ですが、この写真は数年前の土浦の花火ですぅ(^^ゞ
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